Bottom's Up Guitars
国内初入荷!『ジョニーハイランドモデル』 10TOP BLACK CHERRY 仕様解説

このページでは、“ナッシュビルのカントリーウィザード”の異名をとる超絶ギタリスト『ジョニーハイランド』の
シグネイチュアモデルである『PRS Johnny Hiland Signature Model』 について日本最速の詳細解説と
プレイングインプレッションをお届けする。

なお、ここに記載のモデルは日本初入荷のSignature Modelである為、購入を頂くことももちろんOKだ。

-SPECIFICATIONS-
BODY : Carved maple top (10 or None) with Mahogany back
NECK : Quartersawn hard maple
SCALE : 25 inch scale
NECK CARVE : Special JH neck carve
JOINT : Bolt-on
FRET : 24-fret
FRETBOARD : Maple
INLAY : Johnny Hiland inlays (large dots with a 513 bird at the 12th fret)
HARDWARE : PRS tremolo, PRS 14:1 Phase II low mass locking tuners, Nickel hardware, Custom "Johnny Hiland" truss rod cover,
ELECTRONICS : JH Treble and Bass pickups, Volume and push/pull tone control (splits Bass pickup) with a 3-way blade pickup selector

ボディカラーについては各色選べるが、指板はメイプルのみである。トップ材はノーマルのメイプルか10TOPメイプルから選ぶことが出来る。インレイはオリジナルのドット+モダンバード@12thフレット。ブリッジはトレモロのみの指定だ。
ボリュームとトーン、そして3wayBlade(ストラトスタイル)スイッチとなっているが、これらとジョニーハイランドオリジナルの最新PUとの組み合わせについては以下に詳述する。
これが全体像だ。一見メイプルフィンガーボードのカスタム24のようだ。が、PUはカバーをかぶり、PUセレクターもブレードタイプだ。カスタムモデルな雰囲気がいい。
まずはそのネックの特徴から見ていこう。
ネックはスワンプアッシュスペシャルや
CEシリーズのようなメイプルの薄膜ラッカーフィニッシュ仕様だ。ヘッドとネックのつながりは平らでスムースな印象。これが何故このようにしてあるのかは、ページ下部でおわかりいただけるだろう。
指板側から見ると平たくて薄いネックのように見えるが、ナット幅とエンド幅はカスタム24のレギュラーシェイプに準じており、このネックが“Custom22 Soapbar”の流れを汲む物であることが推測される。
ネックジョイントはCE、スワンプアッシュスペシャル同様のPRS STYLE BOLT-ON。シリアルナンバーの表記方法からもこのSignatureモデルがCEベースで誕生したことがわかる。

(こぼれ話 : ジョニーはあるインタビューの中で「俺の最新ギターはPRSのカスタム24を元に開発したんだぜ。」と述べていたが、あれは彼のその時の言葉の間違いで、本当は「CE24」と答えるべきであった。 なお彼がこのギターの開発にあたり、惚れ込んでいたギターはCustom22 Soapbarである。)
ネックの裏側は非常にクオリティの高い仕上げがなされている。
ネックヒールの感触、プレイヤビリティも上質だ。


※これら3枚の写真からわかるように、このジョニーハイランドモデルは、初期ロットだからかはわからないが、素晴らしいクオリティの柾目メイプルが使用されている。
ここからは、このギターのもっとも特筆すべきFeatureであるピックアップコンビネーションを説明していく。

搭載PUは JH Treble & JH Bass
このギターの為に新開発された物だ。

出力はPRSのPUの中ではかなり低めで、具体的にはMcCartyPUほぼ同等だ。

大事なポイントであるが、このSignatureモデルのコントロールは特殊であり、なんと、各種カタログや、付属の説明書でも誤表記されているが、フロントピックアップは通常状態でシングルサウンドであり、リアは常にハムバッカーサウンドである
これは彼がカントリーミュージックのプレイヤーであること、それから、ロックシーンまでも席巻できる超絶テクニックおよびサウンドキャラクターを持っていることから必然的なセレクトだったのかもしれない。
上記の説明を証明すると、
ジョニー本人のギター解説でもわかる通り、この配線は正しいのだが、取り扱い説明書の説明は間違っている。

フロントピックアップだけタップ線が出ており、それはPush-Pull トーンポットが押し込まれている状態ではタップ接続されている為フロントは常にシングルコイル状態になっている。
そこで、Push-Pull トーンポットを引き上げると逆に、フロントPUがダブルコイルとして動作しハムバッカーサウンドとなるのだ。 つまり、例えば 2xハム・ミックスのサウンドを出力するにはトーンポットを引き上げ、3wayセレクターを真ん中に持っていけばよいのである。

なお、リアピックアップは単線のPUとなっており、これによって、常にハムバッカーとして動作していることがわかる。
続いてのこのギターでの新しいFeatureは、トラスロッドカバーの下面が掘り込まれていることだ。

これはナットからストリングポストまでの間の弦をベンドするカントリースタイルのプレイをする為に、トラスロッドカバーが干渉せぬ様落とし込まれているのだ。

ペグは、お馴染みのフェーズII ロッキングチューナー

ロゴはCE、S.A.S.スタイルの黒シグネイチュアデカール
これがトラスロッドカバー下のザグリだ。
トラスロッドに当たらないギリギリまで細工がしてある。
このギターは2007年1月24日生まれ

これを書いている筆者と同じ誕生日だ。

指定ゲージは009-042
さあ、お楽しみ頂けましたでしょうか?

このギターのことが皆様にご理解頂けたなら幸いです。

~あとがき
筆者がジョニーハイランドを初めて見たのは、ナッシュビルの酒場で2002年のことでした。
とある酒場通りを夜一人歩いていたら、爆音でスンゲーカントリートーン(バンド演奏)が聞こえてくるではないですか。
思わずその店に入り中を見ると、またこれその音量よりもスンゲーお●ブちゃんが目にも止まらぬ速さでギターを弾いているではありませんか!!
「ん??なんか見たことがあるギタリストだぞ。」と思った私はアメリカのギター雑誌でエフェクターの広告に載っていたその人だと気付きました。
とにかくその超絶プレイにぶったまげた私は手持ちのデジカメでビデオを撮って帰りました。
それから4年。テレキャスターを弾いていた彼もPRSのSignatureアーティストとなり、オリジナルモデルを発表しました。
ジョニーハイランドのことも、PRSのことも好きな筆者にとって、こんなタイアップ、なんて嬉しいことでしょうか。

このギターは彼のようなカントリースタイルのプレイをするギタリストから、ハードロックミュージシャンまで本当に幅広く使える懐の深さを持っています。

通常のPRSギターに飽き足らない貴方、こういうスペックのギターを探していた貴方。これが次の一本ですよ!

なお、通常ブラックチェリーはチェリーバックですが、これはCEに準じるのでブラックバックとなっており大変精悍です。